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Olio di Olivaのこと:その3 [Puglia]

さて、きれいになった実は石臼に。昔は人力…じゃなく馬力で回してたんだろうけど。

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擂り潰された実は「ディスク」に塗られ
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絞り器にかけられる。これがいわゆる「コールドプレス」。最後の遠心分離器まで熱を加えてない圧搾方のこと。力のいるところは機械化されてるけど、原理は昔と全く同じ。
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蝦蟇の油、じゃなくて、オリーヴオイルがタラ〜リタラ〜リ。
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出てきたオイルはまだまだこんな色。水分が混じってる。不純物というか絞りかすというか、を漉して
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行き着く先はココ。おばちゃん、おっと、シニョーラが扱ってるのは遠心分離器。
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そして!これが絞りたてのオリーヴオイル!
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この辺りは(プーリア州の北、フォッジャ県)ノンフィルターのことが多いので濁ってる。透明感ゼロ。お上品な味じゃないけど、まるで出汁がでてんじゃ?ってくらい美味しい。香りも強烈で、もしかしたら苦手な人もいるかも。

自分ちのオイル?蛇口から容器へ。
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快く見学させてくれたPeschici(ペスキチ)のFlantoio(フラントーイオ:搾油所)の皆さん。シーズン中、混んでいるときは24時間営業らしい。
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摘んですぐ絞る!が美味しいオイルの秘訣。そいやPepeさんちの葡萄も摘んですぐ絞る!んで、みんな夜中まで作業してましたですよ。イタリア人、仕事しない。でも、やるときゃやる。

このFlantoioでも直売してるんだけど、私は畑を見せてもらったホテルのオイルを。色々買ってみたいけど、持って帰られる量が限られてるし(残念)。

余談:実は、友人のお父さん、この近くの街(Manfredonia:マンフレドーニャ)でオリーヴオイルの会社を経営しているんだけど、一緒にご飯食べたときに「なにぃ?」な話しを聞いてしまった。
「うちはやってないけどさ、近所の会社ではToscana(トスカーナ)にオイル売ってるもんね。バルクで」
げげげ!イタリア版産地偽装?ときどきトスカーナ産のオイルで「なんだかこの強烈な香りは、まるでプーリアのオイルみたい…」と思うことがあるんだが、まさか?
「いや、まさかじゃないよ、実際かなりの量がトスカーナに行ってるよ、うちの近所からだけでも」
後日、友人が「これ、パパから」と言って、お父さんの作ったオイルをローマに届けてくれた。透明感のある深緑の、むっちゃきれいで、むっちゃ美味しいオイル。しかし…3リットルはなぁ。2リットル、ローマに置いて帰りましたがな。
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Olio di Olivaのこと:その2 [Puglia]

ずいぶんと間が開いてしまったけどオリーヴオイルの続き。

畑で集められたオリーヴは、即!〈共同の〉搾油所へ。
商売でオイルを作っているところには時前の搾油所があるだろうけれど、自家用のオイルの場合は共同のに持ち込む。

とにかく鮮度が命。順番待ちのオリーヴたち。

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搾油所が見たいというと案内してくれたPeschiciの街の写真屋・Dinoのオリーヴも順番待ち。

まずはゴミを取り除く。

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この搾油所の看板猫?と看板犬。

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続く。
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Olio di Olivaのこと:その1 [Puglia]

まさに今が、収穫の季節、オリーヴ。11月から2月まで続く。もちろん収穫後はすぐにオイルになる。菜種油、胡麻油、ひまわり油など、ほとんどのオイルが種を絞るのに対して、オリーヴオイルは「実」を絞る。オイルと言うよりジュースなのだ。

場所はPuglia(プーリア)州Gargano(ガルガーノ)半島の小さな街Peschici(ペスキチ)。定宿にしているホテルの所有するオリーヴ畑に連れて行ってもらった。売り物のオイルではないので畑は小さく、収穫は全て手作業。

枝をゆすって、下に落とす。下にはネットを広げておいて
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手で集める。
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集めたものは袋に詰めて搾油所へ。
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おまけ1:ちょっと不思議な植物。上のトゲトゲは、触るとか〜なり痛い。下はマムシ草系?ギボシ系?どちらも初夏の花なのに11月に花が咲いてるので違うだろうな。
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おまけ2:同じくGargano半島にて。こちらは海辺の街と違って、半島中央部のForesta Umbra(フォレスタ・ウンブラ)の森を抜けた辺り。通りすがりに「あ、収穫してる!」というわけで急いで車を止めた。止めたのは、このトラクターではありません(笑)。
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家族で作業していたから、たぶん自家用なのだと思う。石垣の下から「すみませ〜ん、写真撮っていいですか〜?」と尋ねたら「いいよ〜」という返事。さすがに石垣よじ登る時間はなかったので、下から。イタリア人に「写真いいか?」と尋ねると大体「いいよ」と言って、必ずカメラ目線&ポーズがついてくるんだが、いや、それはそれでいいんだけど、こっちはもっと自然な…ああ、贅沢は言いますまい。でもこのお爺さんは、理想的なくらい自然に振る舞ってくれました。ありがと。

おまけ3:こちらは同じPuglia州でもBrindisi(ブリンディジ)県の美食の街、Ceglie Messapica(チェリエ・メッサーピカ)の畑。この辺りのオリーヴは軽く1000年を超える古木がわんさか。ただしこの畑のは、1000年いってるかな〜?というかんじ。でもみんな現役です。
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続く。次回は搾油所。
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港の犬@Peschici Porto:その2 [Puglia]

イタリアでも犬の散歩はリードつきなんだけど、都会ならともかく、田舎ではかなりゆるい。しかもシェパードクラスの大きさの野良がウヨウヨ。野良とは言うものの地域猫に近い存在。なかにはCheccaのように名前をもらっている犬すらいる。だからPeschici(ペスキチ)の港の主であるTEXがほぼ放し飼い状態でも、誰も文句を言わない。TEXが一人、じゃない1匹で散歩中、そこここから声がかかる。「よぉ、TEX」。するとTEXは声の主をチラッと見て、尻尾を2回ほど振って挨拶。
「ねぇ、もしTEXが誰かを咬んだら?」
「TEXはそんなことしない」
「だから、もし」
「そりゃ、そいつは一体TEXに何をしたんだ?ってことになる」
というくらい、犬への信頼は篤い。

夜のPeschiciの港。散歩する人で賑わう。もちろん犬を連れた人も。

私たちが定宿にしているホテルのオーナーも、夕食が終わるとラブラドールのLuna(ルーナ)を散歩に連れ出す。このLunaちゃん、ちょっと小さめのラブラドールで、賢くて優しいと評判。もちろんホテルの看板犬だけあって、愛想よし。
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そのLunaの息子、Rudy(ルーディ)。見た目はLunaによく似てるんだけど、とにかく元気がいい。Lunaの産んだ5匹の仔犬のうち、Rudyだけがが残った。
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↓ホテルの持っているオリーヴ畑での収穫風景。左上にちっこく写っているのがRudy。なんかくわえてます。
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おまけ。Rudyのお父さん、Ricky(リッキー)。街の写真屋、Dinoの犬。かなり大きめのラブラドール。これがいい年して落ち着きがなくて(笑)。Rudyのtroppo vivace(トロッポ・ヴィヴァーチェ:元気よすぎ!)なとこは、たぶんお父さん譲り。
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実はもう1匹、Lunaの息子が、ホテルの従業員Michele(ミケーレ)のとこに養子に行っていて、こちらのLucky(ラッキー)は見た目父親似なんだけど性格は賢くて穏やかなお母さん似。またMicheleがよく躾けてるし。残念ながら写真が見つかりません。

港に散歩で時々やってくる近所の犬、Figaro(フィガロ)。まだまだ子どもなので、はしゃぐはしゃぐ。昼間一人、じゃない一匹でやってきたときに、畏れ多くもTEXに遊んで〜とじゃれて、きっちりお仕置きされていた。
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これは、やはり散歩の常連さん。ちょっとビビリ。
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最後に、ホテルのオーナーのお兄さんの犬、Athos(アートス)。TEXより一回り大きな長毛のシェパード。ちょっと神経質…というか、よく吠える。飼い主の言うことはバシッと聞くんだけど。
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この港には小さな派出所もあって、お巡りさんも常駐している。ある日海水浴場を徒歩でパトロール中のお巡りさんと一緒のTEXを見かけた。波打ち際をお巡りさんと歩く姿はまるで警察犬。もちろんノーリード。ゆるいなぁ。たしか法律違反だと思うけど(笑)。

でも、イタリアの犬の方が、日本の犬より、幸せそうな顔をしてるんだな。

※イタリアではシェパード、ドーベルマンは中型犬扱い。グレート・デーンなどマスチフ系やアイリッシュハウンド、セント・バーナードクラスで、大型犬。
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港の犬@Peschici Porto:その1 [Puglia]

Puglia(プーリア)州の北、イタリアを乗馬ブーツに例えると、拍車に当たる部分、Gargano(ガルガーノ)半島の小さな白い街、Peschici(ペスキチ)。メインの街は崖の上だが、リゾートホテルはその下の港に集中している。夏になると観光遊覧船やTremiti(トレミティ)諸島へ渡る船が出入りする小さな港は、基本的には漁港。朝と夕方、漁を終えて港に帰る漁師を魚の仲買人が待つ。人の出入りも多いが犬の出入りもある。

この港に暮らす犬と、やってくる犬。

一番手はもちろん、名物レストランの犬、TEX(テックス)。港に出入りする人と車と犬をチェックするのが彼の日課。もちろん人と車は目視のみ(笑)だが、犬には厳しい。
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↑彼が飼われているレストランの裏口。堤防に続いている。ややこしい犬が来る時間は時々、つながれている。

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↑晩年のTEX。他の犬に耳を食いちぎられ、瀕死の重傷を負った。なかなか触らせてくれないTEXが、いきなりお腹を出して「なでて」と言った(言ってないけど)ときは、嬉しいような悲しいような…。最後の最後は「あまあまTEX」。

二番手はChecca(ケッカ)。TEXの内縁の妻(笑)。かなりのビビリで、いつもTEXの陰に隠れて寄ってくることはなかったけどTEXが慣れてくれるとCheccaも甘えてくるようになった。
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ある日、港の入り口で堤防の先の小さなゴマ粒くらいのCheccaを「ケッッッッカァ〜」と呼ぶと、全速力で迎えに来てくれたことがある。一途に走ってくるCheccaを見ながらShanryさんと「げ、食べるものも何もないのに、あんなに走ってこられても…」と慌てたけれど、Checcaはそんなことは気にしてなかった。ただ、名前を呼ばれたのが嬉しかったみたい。

Checcaという名は誰がつけたのかもわからない。イタリア語でCheccaはドラッグクイーンという意味があって、そりゃなんぼなんでんと思ったけど、どうやらFrancesca(フランチェスカ:女性の名前)の省略の方。一応野良。

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↑Checcaに気のある、やはり野良。Checcaは興味なし。TEXには服従。

そしてジジ犬Darto(ダルト)。泊まっているホテルの向かいの家の犬。飼い主のおじさんは漁師。
毎朝毎夕、おじさんの見送りをして港に通うDartoのけなげさにメロメロ。
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でも、出会ったときにはすでにジジ犬だったんで、お別れは早かった。

仲買人のおじさんの連れてくるモジャモジャ。この子は可愛いんだけどね…もう一匹のドーベルマンは…。もしかしてTEXの耳をやったのはこいつ?と港の常連に尋ねると、それは違った。
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モジャモジャ君。
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…………続く。

おまけ。港の犬じゃないんだけど、港から崖の上の街に行く途中の階段でいつも寝ている犬。メンバーは入れ替わるんだけど、たいがいここで犬が寝ている。
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もうひとつ、おまけ。猫漫画に台詞入れてみました。

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注)Peschiciの猫は博多弁は話しません。
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イタリア猫漫画(のつもり)懲りずにその2 [Puglia]

こりずにその2。前回の反省を踏まえ台詞なし(笑)。
場所はTEXのいる港から階段をゼイゼイ言いながら登る途中。ここPeschici(ペスキチ)も旧市街は白い街。

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              …おわり。

おまけ。
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おじさんはたぶん魚の仲買人。漁師の船が戻るのを待っている。連れている白いモジャモジャは大きさに似合わず気弱。TEXには完全服従で、お腹を見せて挨拶する。もう1頭のドーベルマン。こいつが曲者で、TEXの姿が見えないときには我が物顔で港の他の犬を虐めてるけど、TEXがいるとき(この写真を撮ったときは、私の後方にTEXがいた)は、飼い主の後ろに隠れて絶対に出てこない。
港の常連から聞いた話では、けんかしたことはないけど、初めから迫力負けしてたって。
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イタリア猫漫画(のつもり) [Puglia]

一度やってみたかった猫漫画。でも素材が…と思っていたら、なんとなくありました。

舞台は南イタリア、Puglia(プーリア)州の北の小さな街、Peschici(ペスキチ)の港。夏、ここには洞窟巡りの観光船がやってきたりするリゾートの街。アウトストラーダからアルプスを越えA14号線を南下してやってくるドイツ人観光客も多い。そんな港のレストランの犬、AbruzzoのPepeさんちのMaxとは違って、愛想は悪いけど、とにかく「賢い」と評判のシェパードのTEX(テックス)が主人公…だったら犬漫画だろ!今回は彼は脇役。

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オチも何もなし!我ながら「つまらん!」(大滝秀治風)と思うけど、一度やってみたかったのさ。とはいえ、猫漫画の才能は皆無であることが、よ〜くわかった。

最後に「港の主」TEXの、在りし日の勇姿を。私にとっては世界で一番美しく賢く誇り高いシェパード。
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イタリアの猫写真:その2 [いろいろ]

他の写真を探すついでに、古い写真をひっくり返してみました。犬3:猫1くらいの割合で、やっぱり犬写真が圧倒的。理想は猫マンガなんだけど、あんまりたくさん撮ってない。

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南イタリアはアマルフィ海岸の超有名観光地、Positano(ポジターノ)の猫。ダレてる。

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やはりナポリ沖の小さな島、Procida(プローチダ島)の猫。この港、Collicella(コッリチェッラ)は漁港なので漁師さんたちからの差し入れ?が。ポリ袋で持ってくるおじさんがいて、その音を聞きつけて猫たちが集まってくる。

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やはりProcidaの港Collicella。兄弟かな?みんなそっくり。

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カメラを向けると逃げるか隠れるか、な中、この猫だけはポーズ。

Procidaの港は猫だらけなんだけど、私好みの顔が丸くて頸のない猫は見かけなかったなぁ。

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↑写真が上手く表示されません。クリックしたら全部見られます。
やはりProcidaの港Collicellaのリストランテ。ここで食事すると、もれなく猫のおねだりがついてくる。構図は好きなんだけど、夕暮れ時で上手くない写真だな。猫の写真はこんなんばっかり。イマイチかな?ってかんじの。

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Procidaの一番大きな港、Marina Grande(マリーナ・グランデ)の港。ここがこの島の玄関なので、この猫は観光客なれしてる?

全てかなり昔の写真なので、フィルムカメラで撮影してます。懐かしい。
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イタリアの猫写真:その1 [いろいろ]

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一番手。
南イタリア、Puglia(プーリア)は、皇帝の城のあるOria(オリア)からのエントリー(笑)。

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Abruzzo(アブルッツォ)はTeramo(テーラモ)県のド田舎、Torano Nuovo(トラーノ・ヌォーヴォ)、Pepe家の居候、Bianca(ビアンカ:白)ちゃん。けっこう愛想よし。

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この攻撃的な眼差し。同じくPepe家の居候、Griggio(グリッジョ:グレー)。絶対に人にはなつかない、なついてたまるもんか!というタイプ。この距離まで近づくのに2年かかった(笑)。

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Puglia(プーリア)はAltamura(アルタムーラ)からのエントリー。友人宅の屋上で鳩の見張り番をやっているGattina(ガッティーナ:猫ちゃん)。開いた指がチャームポイント。

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最後は、もうどこで撮影したのか記憶も薄れた野良ちゃん。
たぶんPuglia(プーリア)はGargano(ガルガーノ)半島きってのリゾート地、Vieste(ヴィエステ)の港ではなかったかと。
え?これのどこが猫写真かって?よく見てちょうだい。

その1になってるけど、その2があるかどうかは不明。たぶん、ない。元々猫写真が少ない。
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Pepeさんちのこと[1] [Abruzzo]

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あれは2000年、たぶん2000年。書店の在庫一掃セール(出版社の倒産か何かでの特殊なセール。再販制度のある日本で書籍の値引きはない)で3冊の画集を手に入れた。そのうちの1冊が『カルロ・クリヴェッリ画集(ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ)』。一目惚れ。好き嫌いはあるだろうが、ある意味特異な画家。その人生も作品も。

作品のほとんどは世界中に散らばってしまったが、彼が半生を過ごしたMarche(マルケ)州には、かなりの数が残っている。こりゃ見に行かねば。さて、Marche。見事にマイナーである。観光地として知られているのはUrbinoくらいか。そのマイナーなMarche州でもクリヴェッリの作品が残っているのは大半が辺鄙な山の中。どこかに拠点を置いて、毎日通うしかないか。

そしてたまたま手元にあったアグリツーリズモのガイドブック。少し前から知られるようになった農家民宿のガイド。そして、たまたま見つけてしまったのである。Emidio Pepeのアグリツーリズモを。Abruzzo(アブルッツォ)州ではあるが、ほとんど州境。

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↑この畑は輪作。この年は向日葵だったけど3種類くらいの作物で回してるみたい。

「や〜ん、Emidio Pepeってば、アグリツーリズモもやってるんだ〜」

Emidio Pepeの説明を少し。2000年当時、知る人ぞ知る『自然派ワインの大御所』。日本にも少しは入ってきていたけれど、ほとんど全てが東京で消費され福岡まで回ってくることはほぼない。酒屋でもほとんど見かけず、ちょっとイタリアワインおたくが行くレストランで出されるくらい。「一度は飲んでみたいものだ」と思っていた私にとって、その製造元(笑)に泊まるということは飲み放題かも!?という下心が疼く疼く。

ドキドキしながら電話をした。
「は〜い。アグリツーリズモ?んん、その日なら空いてるわよ〜。わかった〜1週間ね。じゃあ待ってる〜」
と、ゆる〜い返事。ファクスで確認したいのだけれどと言ってもSignora Pepeは
「ファクス?使えない、私は。大丈夫、イタリアに着いたらまた電話して〜じゃあね〜」

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イタリアに着いて1度、約束の前日に1度、そして当日にも電話を入れましたですよ。
「ああ、今日だったわね〜待ってるわよ〜時間?何時でも。いい?Teramo(テーラモ)からはS.Edigio(サンテディジオ)を目指すのよ〜S.Edigioよ〜」
迷いましたですよ、散々。Emidio Pepeこっちの矢印のついた看板を見たときには涙が出るほど。

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↑今は改装して素敵になってます!昔は農繁期の作業をするひとたちが使っていた。

http://www.emidiopepe.com/public/DB18/LayoutP/main.asp?cc=3&cl=I&nco=agriturismo&mode=d&pg=0&chkPrz=0&cmpPrz1=&cmpPrz2=&db=DB18

ヘロヘロになってSignora Pepeに挨拶したが、その日はちょうどワインをタンクから瓶詰めしているところだった。当時は瓶詰め用の機械を引いたカミヨン(トラック)が各ワイナリーを廻って瓶詰め作業をやっていた。カミヨンは時間が限られている(次の予約が入っている)ので、この作業の日は目が回るほど忙しい。
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みなさんに挨拶をするでもなく部屋に通されるでもなく、することがなかった私は荷物を車から降ろす前に、働くみなさんの輪に入っていた。

↓これは別の日の作業風景。常雇いではなく忙しいときだけ近所のおばさんたち、というよりお婆さんたちが手伝いに来る。このおばちゃんたちとは、いまだに仲良し。
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左がCinziana(チンツィアーナ)ウサギを飼育しており、ときどきPepe家でもご馳走になる。真ん中がIda(イーダ)一番年長で一番仲良し。右は…名前忘れた。
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右がAnna(アンナ)ヴェネツィアからお嫁に来たから、いまだにAnna Veneziana(アンナ・ヴェネツィアーナ:ヴェネツィア人のアンナ)と呼ばれている。よそ者って意味かなと思ってたら、実は他にもたくさんアンナがいて、それと区別するため。

このIdaといい、Anna Venezianaといい、もう一人の若いAnnaといい、その生きてきた物語は、この番組
http://www.bs4.jp/document/italy/
に推薦してやりたいくらい(笑)。

と、まあ、私とPepe家のご縁は、Carlo Crivelli(カルロ・クリヴェッリ)というけったいな画家から始まったのであ〜る。



カルロ・クリヴェッリ画集 (ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ)

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  • 作者: カルロ・クリヴェッリ
  • 出版社/メーカー: トレヴィル
  • 発売日: 1995/10
  • メディア: 単行本





カルロ・クリヴェッリ―マルケに埋もれた祭壇画の詩人

カルロ・クリヴェッリ―マルケに埋もれた祭壇画の詩人

  • 作者: 石井 曉子
  • 出版社/メーカー: 講談社出版サービスセンター
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 単行本



Carlo Crivelli

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  • 作者: Ronald Lightbown
  • 出版社/メーカー: Yale University Press
  • 発売日: 2004/09/10
  • メディア: ハードカバー



Carlo Crivelli

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  • 作者: Gordon McNeil Rushforth
  • 出版社/メーカー: BiblioLife
  • 発売日: 2008/11/30
  • メディア: ペーパーバック



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